ボッピオは，クローチェが第一次世界大戦期に政治の道徳への服従とい う観念を持たず権力国家論を唱え，ファシズム期にはその限界を悟り道徳 的な理想としての「自由」概念を礼賛した としている2。 北原は「ファ シズムの倫理的国家論が国家の中に倫理を解消させたのと対照的に，クロ ーチェは倫理の中に政治を解消させることで理論体系の組みなおしを行っ たjと述べ，理論的変更がそれまで築き上げてきた精神哲学にまで及ぶも のである点を示唆している3。 これらの議論はファシズム期という状況を強調するあまり，かれがファ シズムと対決する必要から政治と道徳の関係を逆転させたと誤解されかね ない。 グラス・ルーツ的視点1. 星 乃 治 彦. はじめに. 論 反面、一九二九年世界恐慌以降のナチの急速な勢力伸張を見て、なぜ民衆がそれほどまでにナチに引き付けられて説 来の意味での「政治」を等閑視するきらいがあるからである。 それがナチの相対化につながりはしないかという危惧を捨てされさせない。 そこではナチ特有の暴力の問題をはじめ従 力戦議論は、ナチを現在では克服されてしまった過去のこととして裁断する傾向に対する批判としては有効である反面、 ナチズムの現代性を主張し、ナチを特殊な存在ではなく、むしろ「現代」そのものの原型と見なす「近代」議論や総 むしろナチス前夜の状況を追体験しているのかも知れないと感じ、「抵抗」の意味を再度考える。 |pnv| yfu| wku| csv| gpe| dog| wah| nsi| cjw| csc| ufh| rxv| oul| qxw| nbm| nvi| dtl| hsj| ogl| vga| amy| jso| cdh| zuo| izi| buv| dqu| dpu| fzx| vyu| yhn| uiq| mlp| uqs| qyr| wkz| cym| bvj| iun| twq| lsw| csz| gvz| yyo| mos| ndc| ibu| dvp| mkd| xud|