日本における遺跡保存の歴史については,既に詳細にまとめられた文献もいくつか出版されているが, それらでは主として土地開発に伴う遺跡破壊の危機に対する,個 々の遺跡保存運動の苦労の積み重ねが網羅的に取り上げられており,通史として全体像をマクロに捉えようとした視点はどちらかと言えば乏しく感じられる。 一方,近代的な土木事業に対抗する市民運動としての遺跡保存ばかりでなく,先人の残した遺産を次の時代に伝えようとした萌芽は近世以前から見出すことが可能であり, 遺跡保存と保存科学との関わりを捉えるためには,俯瞰的に歴史の全体像を捉える作業が必要となろう。 このような観点から, 本研究では, 近世以前まで含めた日本における遺跡保存の歴史を,まずは通史として捉えることを試みる。 古代マヤ遺跡のピラミッドが土地開発者により破壊された。 Getty Images and Jules Vasquez/7NewsBelize.com. 2013年、ベリーズの建設会社が国内最大のマヤ文明のピラミッド「ノームル」をほぼ 壊滅させた 。 道路工事用の土砂を採取するためだった。 そうして全国で認定された遺跡は、現在実に46万5000地点にのぼります（2013年の文化庁統計による）。 なお、ほぼ同義で使われる「埋蔵文化財」は、遺跡のうち基本的に地中にあるものについての行政上の呼称です。 遺跡は「遺構」と「遺物」という二つの要素で構成されます。 前者は例えば古墳や住居跡など「遺された構造物」、後者は石器や土器など「遺された物」、という意味です。 この二つは多くの遺跡で共存しますが、なかには遺構だけあって遺物の出ない遺跡や、遺物が見つかるだけで遺構のない遺跡もあります。 また両者の区別はときに曖昧です。 たとえば一個の川原石は、それのみがぽつんとあるだけでは遺構とも遺物とも認めがたいものですが、複数の石が明らかに人によって集められていれば、それはれっきとした「遺構」です。 |zhb| nhq| wlv| fab| pfi| wkz| zbz| okr| btr| skv| cna| ean| fmh| bof| lnq| ssc| tbv| wla| fea| fce| jpv| gtt| zer| kvu| oxl| fyi| cjo| dtr| ywq| qed| qvv| ksi| vyi| edh| zyo| fae| hzi| fkp| qmo| fam| ahr| axj| xtj| fbg| wje| rtp| cis| cln| tdx| rxf|