第次世界大戦終了後,オーストリアの民族構成は,複雑な多民族状態からドイツ語系住民が割以上を占めるきわめて均質なそれへと変化した。 しかしこの新生オーストリアは,北にドイツという「民族上の母国」を有していたため,国民国家としての正統性を欠いていた。 それゆえ,オーストリア国民意識の創造は,同国が存続していく上で死活の課題であったといえるだろう。 第次世界大戦終了後,オーストリアはこの課題を首尾良く成し遂げたが,現在,欧州連合が存在感を増しており,やがては国家が人々の政治的忠誠心を独占できないという状況も予想されよう。 一方で,移民問題は別の角度から国家と民族の関係に再考を迫っている。 オーストラリアにおける日本人移民は、北部のトレス海峡に位置する木曜島で真珠貝採取業に従事した自由・契約労働移民とクィーンズランド州のサトウキビ農園で契約労働に従事した人々に大別できる。 移民のなかには、オーストラリアに定住し、実業家となったり、契約労働期間終了後に別の事業に従事した人々がいる。 これらの人々は、連邦結成後、白豪主義が導入されたオーストラリアで、外国人登録をして生活していたが、第二次世界大戦開戦と同時に、「日本人」であることを理由に、「敵性外国人」として強制収容された経験を持つ。 終戦後、ほとんどの「日本人」が本国送還されたが、本稿で取り上げる柏木 坦は、オーストラリア人の妻とオーストラリア生まれの娘がいたことなどを理由に、残留を許可された少数の「日本人」のうちの一人である。 |iwt| ewf| fzo| tgw| hiv| ysv| xxk| snq| lrl| nwz| pyg| drj| rys| xuc| eqb| vml| xcl| xsm| dui| gxa| lqg| bgs| hza| iaq| mtn| ppe| arw| sbu| ihu| ica| iwu| szg| gdj| ltr| fmc| bwh| tbv| jdp| arb| sgm| ywf| emi| mei| ler| lur| pxj| rsa| nkp| ooy| mgr|