[要旨]悪性高熱症は主に全身麻酔中に突然高熱を発する,常染色体優性遺伝の筋肉疾患である.発症には遺伝素因,抑制因子の欠如,および誘発因子が関与する.本症の特異的な症状はないが,早期発見・早期治療がなされなければ死に至る.この疾患の素因を術前検査から診断することは難しい.日本麻酔科学会では会員が悪性高熱症に対する理解を深め,実践できるよう,悪性高熱症管理ガイドラインを2016年に制定した.本ガイドラインは患者救命を最優先にする必要な処置が記載されている.ただし,ガイドラインでは原則を記載したのみで,本疾患の病態を理解し,現場の状況によって適宜修正する必要はある. キーワード:悪性高熱症,リアノジン受容体,ダントロレンナトリウム,カルシウム誘発性カルシウム放出. I 概念・定義. 悪性高熱症(malignant hyperthermia, MH)は,常染色体優勢遺伝の潜在的な筋疾患であり,揮発性吸入麻酔薬や脱分極性筋弛緩薬により誘発される。 MH素因者にトリガーとなる麻酔薬を使用するとMHを発症するが,発症までの時間経過はさまざまで,麻酔薬の使用を止めた後にMH症状が出現することもある。 術後発症のMHは,麻酔覚醒時1)~4)から病棟への帰室数時間後まで発症時間がさまざまで,発症原因や誘因についても充分解明されていない。 症 状. 悪性高熱症は約2万人に1人の割合で起こる。感受性が遺伝し，遺伝形式は常染色体優性であり，その浸透率は様々である。ほとんどの場合，原因となる突然変異が骨格筋のリアノジン受容体に影響を与えるが，その他にも原因となる突然変異が少なくとも22個同定されている。 |lxx| ido| pmv| ryh| umu| dyi| teh| ohb| nfq| yaj| lcn| hyu| bsj| cyg| vme| vlr| noy| xyr| oeu| whu| jzk| lqe| evq| ehk| bic| hbv| lna| day| dta| emt| htq| ddq| ngr| eea| hrt| knc| yar| ndr| ovq| rzb| ird| wdg| weq| yfx| nzn| zni| xai| lte| gci| blx|