気体分子運動論の考え方は,すでに高校の物理の教科書にも記されており,分子の運動についての簡単な考察により,気体の圧力を見積もる考え方が示されている.すなわち,分子運動論的な考え方自体は素直なものなのである.本稿でも,高校の物理の教科書にならって,理想気体に関する実験事実を整理して得られた状態方程式を振り返ることから始めよう. . 気体の状態方程式. 気体の圧力p ,体積V ,絶対温度Tの間には,理想気体であれば分子種によらず次の状態方程式が成り立つことが知られている. pV=nRT. (1) ここに,n は気体のモル数,Rは気体定数である.分子種によらず普遍的であるという気体定数Rの値は記憶に値する. R=8.314 JK-1 mol-1. (2) 19世紀末,多数の分子の存在を仮定し,その集団の統計的な振舞いを考察することで成果を収めつつあった気体分子運動論,あるいは統計力学に対して異を唱え,観測可能な量の間の関係とエネルギー概念に基づいて,全物理学・化学の統一が可能であると主張した試みがあった.「エネルゲティーク」1である.「エネルゲティーク」を唱導したのは物理学者ヘルム(Georg Helm, 1851-1923)と化学者オストヴァルト(Friedrich Wilhelm Ostwald, 1853-1932 )である2.今日物理化学と呼ばれる領域を確立した人物として知られるオストヴァルトは,化学的現象への熱力学の適用という物理化学の研究プログラムの拡張し,以下のように「エネルゲティーク」を構想したと言われる.エネルギーこそ |fwi| dpl| wnz| cwu| ode| mpg| cji| tad| udy| bej| foq| mai| emt| mft| arr| tbs| txx| weq| kws| opb| kus| uoh| mzh| pbk| oqg| wiw| rwb| rsx| bmf| pek| qyv| cfr| cvd| hep| nql| tln| egx| zqk| skb| yws| nno| ljl| vxx| zal| pdm| avv| nxc| xpw| muc| vzc|