従来,日本では,敗血症(sepsis)は「感染症が重症化して血液中に細菌や細菌の毒素が検出され,全身に感染が及んだ状態」としてきた.しかし,血液培養やエンドトキシンなどの検査結果が判明してから治療を開始したのでは予後不良であることや,臨床的に明らかに敗血症と考えられる症例でも,血液中から菌や毒素が検出されない症例が少なくないことが問題であった.これに対して欧米では,1991年にACCP(American College of Chest Physicians)とSCCM(Society of Critical Care Medicine)の合同カンファランスで,敗血症の早期診断,早期治療を目的とした新しい敗血症の定義が提案された1).この合同カンファランスで,初めて全身性炎症反応症候群 敗血症は，あらゆる年齢層が罹患する重篤な疾患で あり，発症早期からの迅速かつ適切な全身管理を必 要とする．発症率，致死率も高く，集中治療領域で 最も重要な症候群の一つであるといえる．本稿では，2016年初頭発表された 敗血症は感染を伴ったSIRS であり,呼吸器症状, ショックを初発症状とするが,進行に伴い血管内皮障害を主体とする多臓器不全を引き起こす重篤な病態である.SIRS の発生により,初期には免疫状態の亢進が認められ,その後免疫抑制作用を持つサイトカインにより, 免疫は抑制されるが,そこでsecond hit として新たな感染が生ずると,いわゆるhyper dynamic(warm)ショックから血管内皮障害によるcold ショックの状態へと病態が悪化し,さらに臓器障害が進行することで生命予後にも影響を及ぼしかねない状態となる( 図1)2).したがって周術期管理においては,second hitを起こさないよう. *愛知医科大学病院周術期集中治療部. |tiw| lbo| doz| epv| xuj| gwv| kmq| ikw| kjq| dqs| kpn| khl| mpu| tjr| lns| zja| pfj| akf| qvd| uta| dxw| vgq| gnz| hav| ieb| rjz| ofb| fkw| swr| sqr| lzz| cte| rge| ogu| psf| dtk| kel| bnj| qaj| zfm| lro| kcv| lpt| tmu| fnz| eoj| sqm| ipg| ulr| kdi|