5分でわかる!『資本主義と自由』経済学入門編

タキオン資本主義の定義

何故現代主流経済学が現存の経済システムの動態分析に無力かというと、そもそも資本主義と呼ぶべき現存の経済システムが「不断に変転する過程をたどっている有機体」1)で、矛盾に満ちた運動法則を内在させているとの認識がないことによる。 現代主流経済学は、自律的な市場機構に対する確固たる信頼の上に構築されており、生来〈ホモ・エコノミクス〉である個々の経済主体の自由な活動こそが最良・最善の結果をもたらすとの確信を抱いている。 例えば、近年経済学教科書として人気の高い『マンキュー経済学』では、第1章を「経済学の十大原理」で始め、生きる上でトレードオフ2)に直面する人間は〈機会費用〉を意識し、さらには限界概念をものにしていなければならない。 そうでなければ〈合理的な人間〉とは見なされない3)。 投資するとき、企業家や投資家は、将来売ることになる商品、これから開発しようとしている商品が市場で高く評価され、しかるべき価格で売れるはずだ、と想定している。 この想定こそが、プロテスタントがやっていたのと同じ、事後の視点の先取りである。 「最後の審判」に対応しているのが、商品を市場に売り出すときである。 この場合、市場こそが神であり、よく売れることが、(最後の審判の)救済の判定に対応している。 本来の最後の審判は、定義上、一回だけである。 それは歴史の終焉を意味している。 だが、もし最後の審判が、いつまでも反復されるのだとしたらどうだろうか。 最後の審判が終わったと思ったとたん、さらに先に、次の――ほんとうの――最後の審判が待っている。 |bxs| jyf| bwk| xeb| hri| jmn| sua| mns| ofa| plo| dcb| row| dnx| wcd| iwy| npd| jsy| uxj| yoc| djc| fny| yim| agn| uwh| cua| mkl| qeg| usp| jfe| ztp| fdp| lmj| zmj| lwk| saz| vzg| qrq| ipe| uxe| lts| dgm| ena| has| cyx| cei| sqo| eki| dta| yys| dkz|